みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
本日は、川竹麻耶先生をお迎えし、「聴く身体、話す動き」をテーマに特別セミナーを開催いたしました。
本資格の目的は「安全なバレエを広めること」にありますが、同時に、バレエという芸術の源流を探り、その精神を受け継ぐことも大切なテーマとして掲げています。
今回の講義はまさにその原点を見つめ直す時間となりました。
川竹先生のご講義では、イタリアからフランスへと渡る中で形成されたバレエの言葉の由来をひも解き、フランスで体系化されたバレエの歴史を背景に、「共通言語としてのフランス語」がどのように動きそのものを形づくっていったのかを解説していただきました。
さらに、先生ご自身の研究と実践を通して、言葉の持つ力、それは「音」であり、「音」はすなわち「音楽」であり、そして「呼吸」であり「身体」である、という深い洞察を共有してくださいました。
そして、フランス語という言語の響きやリズムそのものが、バレエの動作の質感や方向性に深く影響していることを、豊富な事例とともにご紹介くださいました。
日本では、言葉がしばしば「ただの音」「記号」として扱われ、その背後にある歴史や精神性が十分に伝わらないことがあります。
本来、言葉とは文化や時代、そして人々の思想を宿すもの。
正確な発音や抑揚の中には、無意識のうちに再現される歴史的な文脈や美意識が含まれています。
しかし、日本語話者にとってフランス語の音感を再現することは容易ではなく、結果として日本独自の音感や解釈に変化されていくのも自然な流れです。
川竹先生は、こうした言葉と文化の隔たりを越えるために、指導現場での声掛けの工夫や、実際のフランスの教育現場で行われている具体的な指導法なども紹介してくださいました。
「バレエという歴史ある身体言語を、ここ日本でどのように受け継ぎ、伝えていけるのか」
「芸術としてのバレエをより多くの人に伝えるために、どのような知識や感性を育んでいくべきか」
それは単に技術を磨くことではなく、文化を継承する責任と、芸術を通して人間の深層を探る行為でもあるのだと感じます。
日本のバレエ教育のこれからを考える上で、今回のセミナーは一つの大きな道標となりました。
バレエという芸術の持つ奥深さと、言葉が身体に宿る力を改めて感じる、豊かな時間でした。
川竹先生、そしてご参加くださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
これからも私たちは、「芸術としてのバレエ」を再構築するための探究を続けてまいります。
バレエ安全指導者資格®︎ 事務局
本日のセミナー詳細はこちら!
https://safedance.jp/ws/update2025_11_2/