みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
今回は、『知らないでは済まされない──指導者が学ぶべき心理学』というテーマで、講座で学ぶ意味をお話したいと思います。
これを読んでいるあなたは、バレエの上達とは関係のない「体型」や「性格」について、
誰かから否定的な言葉をかけられた経験はありませんか?
あるいは、指導の中で、無意識のうちにそのような言葉を使ってしまったことはないでしょうか。
バレエは、心と身体の両方を使う総合芸術です。
いくら技術を磨いても、心が疲れてしまえば、本来のパフォーマンスは発揮できません。
だからこそ、生徒の「心」を守ることは、指導者の大切な役割です。
心理的なストレスやハラスメント、過度なプレッシャーは、
生徒の自己肯定感を下げ、やがて表現する力そのものを奪ってしまうことがあります。
「厳しくするのは愛情」「言わなければ伝わらない」と思っていても、受け取る側の心がそう感じているとは限りません。
指導者の何気ない一言が、誰かの未来を閉ざすこともある。
それが、「知らない」ままでいることの怖さです。
たとえば、
「なんでできないの?」「前にも言ったでしょ」「センスがない」といった言葉。
一見、指導の延長に聞こえるかもしれません。
しかし、その裏にはどんな意図があるでしょうか。
本来の“指導”とは、生徒の可能性を見つけ、伸ばす行為のはずです。
ところが、これらの言葉は、教師側の指導スキルの不足を、生徒に責任転嫁している表現にもなりかねません。
「できない」のではなく、「どう伝えればできるようになるか」を考えるのが、教育者の役割です。
言葉は、時に刃にもなります。
励ましのつもりで発した言葉が、生徒にとっては「否定」や「拒絶」として届いてしまうこともあります。
そのすれ違いが重なれば、やがてバレエそのものを嫌いになってしまうかもしれません。
指導とは、伝えることではなく、届くように語ることです。
生徒がその言葉をどう受け取るかに、意識を向ける必要があります。
そのためには、心理的安全性のある環境づくりが欠かせません。
「間違えても大丈夫」「挑戦してもいい」と思える安心が、新しい動きや表現への一歩を生み出します。
もし生徒が委縮し、表情が硬くなり、動きが小さくなっていくとしたら。
それは身体の問題ではなく、心のサインかもしれません。
技術の前に、まずは心を見つめること。
そして、厳しさの中にも思いやりを、指導の中にも対話を。
指導者の言葉は、単なる指示ではなく、その生徒の“未来の声”になります。
だからこそ、言葉を選ぶことは、未来を選ぶこと。
知らないままでいることは、意図せず誰かを傷つけることにつながります。
けれど、知ろうとすることで、守れる心がある。
私たちが学ぶ心理学とは、人を癒し、支え、成長させるための言葉の学問でもあるのです。
本資格では、心理学の基礎をベースに、
1)メンタルヘルス
2)ハラスメント
3)コーチング
4)発達心理学
5)教育心理学
など、現場で役立つ実践的な知識を学びます。
「できていない」ではなく、「どうすればできるようになるか」
「叱る」ではなく、「気づかせる」
心理学を学ぶことで、そんな前向きな関わり方ができるようになります。
バレエ教室における子どもの成長とは、単なる技術の上達だけではありません。
「自分はここにいていい」「自分の努力が認められている」と感じられることが、その子の内側にある創造性と自信を育てます。
安心のある環境でこそ、人は伸びていくのです。
心理学の知識を持つということは、心の不調を診断することではありません。
それは、人の心に気づく力を育てること。
小さな変化を見逃さず、必要なサポートへとつなぐ判断力を養うこと。
そして、生徒一人ひとりが“自分らしく表現できる場”をつくるための知識です。
時代は大きく変わりました。
技術指導だけでは、人は育ちません。
バレエ教育は、心の教育でもあります。
少子化と呼ばれ、現実にそのように実感することも多くなりました。
そんな社会にあって、大切なお子様の身体と心、そして未来までも預かる教師の責任は、とても大きいのです。
厳しさの中に思いやりを、指導の中に対話を。
生徒の心を理解し、育てる力を持つこと。
それこそが、これからの時代に求められる
安全で健全な指導者の姿ではないでしょうか。
バレエ安全指導者資格®︎ 事務局
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