みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回のコラムでは、「私たちの資格が育てたいもの」についてお話したいと思います。

バレエのレッスンには、技術があります。
そこには「美しさ」の基準も、「正しさ」の定義もあるでしょう。
けれど、私たちが最も大切にしたいものは、目に見える形そのものではありません。
それを支えている「人間の想い」こそが、バレエ指導の本質ではないかと、私たちは考えています。

たとえば、生徒の一人ひとりがどんな気持ちでバレエと向き合っているのか。
うまくいかない日に何を感じ、どんな未来を描いてレッスンに通っているのか。
それを知らずに、ただ「教える」だけで、果たしてその人を導けるのでしょうか。

バレエの指導は、単なる知識の伝達ではありません。
そこには必ず、「教える人」と「学ぶ人」の人生が重なります。
だからこそ、私たちの資格では、“想いを扱う技術”もまた、指導者に必要な力だと考えています。

そのためにはまず、「知る」ことが必要です。
相手が大切にしているものは何か。自分が守りたい価値観はどこにあるのか。
それを見つめ、違いを否定せず受け止める力。
そこから、今できることを一緒に探す力。
時には、まったく新しい方法を生み出す柔軟性も必要かもしれません。

バレエには長い歴史があります。
そして「かつての正しさ」や「昔ながらの方法」を守ることの大切さも、私たちは理解しています。
けれど本当に守るべきなのは、かたちそのものではなく、「その中にあった想い」なのではないでしょうか。

何を伝えたかったのか。
どんな願いが込められていたのか。
それを丁寧に汲み取りながら、時代に合った形に翻訳し直していく。
その役割を担うのが、これからのバレエ指導者だと私たちは信じています。

レッスンの中で、あなたはどんな言葉を選びますか?
注意するとき、励ますとき、導くとき。
そのひとつひとつの言葉の背景に、どれだけの優しさと誠実さを込められるか。
それこそが、バレエの「技術」以上に、生徒の人生に深く影響を与えるのかもしれません。

私たちの資格では、「知ること」「問うこと」を何より大切にしています。
なぜそれを教えるのか。どのように伝えるのか。
迷ったときには、何度でも立ち返れる「原点」として、指導者自身が自分の想いを見つめ直せる場所でありたいと願っています。

「教える」ことの前に、「人と向き合う」ことを。
「伝える」ことの前に、「感じる」ことを。

私たちは、その姿勢を忘れずに、今日もまた、バレエと、人と、真摯に向き合っていきたいと思っています。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局