みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回のコラムでは、バレエを長く楽しむための心の在り方について書いてみたいと思います。

バレエを続けていく中で、技術や表現力と同じくらい大切なのが「心の健康」です。
踊ることが好きなはずなのに、ふとした瞬間に苦しくなる。
思うように身体が動かないことや、周囲と比べて自分が足りないと感じること。
その小さなモヤモヤが、いつしか自分を責める気持ちに変わってしまうこともあるかもしれません。

特に今の社会では、SNSなどを通していくらでも「他人」と自分を比べられる環境が整ってしまっています。
バレエという世界は、身体の個性や生まれ持った要素が如実に表れる世界。
どんなに努力しても届かないような「理想」が、常にすぐそばにあるように感じてしまうこともあるでしょう。

けれど、そんなときこそ大切にしてほしいことがあります。

人と比べない。過去の自分とさえ、比べすぎない。

バレエ安全指導者資格®の講座でも心理学の学びを重視しているのは、こうした心の揺れにこそ、しっかり向き合ってほしいからです。
怒りや嫉妬、劣等感をエネルギーにする方法は、確かに一時的には効果があるかもしれません。
けれど、それが長く続くと、自分自身を追い詰めてしまう。
本来バレエが持っている「美しさ」や「喜び」から、遠ざかってしまうこともあるのです。

残念ながら、誰もが歳を取ります。
そこからわかる現実は、明らかにパフォーマンスが落ちるということです。
だからこそ、過去の自分と比べることすらしないということが重要になっていきます。

比べるなら、「今の自分が、今日どれだけ丁寧に取り組めたか」ということ。
自分が自分に誠実でいられたか。それをひとつの指針にしてみてください。

これはきっと若いうちにはわからない感覚だと思います。
過去にも囚われず、そして未来にもあまり多くは期待しないこと。
今日という日がとても大切であり、その今日を過ごせたならそれだけでもう十分に自分を認めてあげること。

どんなに優れたダンサーであっても、日々心が揺れる瞬間はあるものです。
「私は強くなんてない」と思う方こそ、実は誰よりも自分の心に正直なのかもしれません。

そしてバレエが教えてくれるもう一つの大切なこと──
それは「急がず、積み重ねていくことの尊さ」です。

コツコツと地道に基礎を続けること。
できない日があっても、また次の日に挑戦すること。
それが、結果として一番の近道になることを、わたしたちは知っています。

花が咲くタイミングも、色も形も、人それぞれ違っていいのです。
その違いこそが、美しさであり、尊さであり、個性です。

今日の自分にできることを、淡々と、マイペースに。
それを続けていくうちに、気がつけば心がふっと軽くなる日がきっと来るはずです。

バレエを愛するみなさんへ。
どうか、自分の心と身体を守りながら、毎日を丁寧に、あなたらしく過ごしてくださいね。

バレエ安全指導者資格®︎にあります【ライフ&ワーク】の講義では、このような問いに対してもじっくり向き合っていく時間となっておりますので、ご興味ある方はぜひチェックしてみてくださいね。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局