みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回のコラムでは、指導者コースのベーシック講座についてお話したいと思います。

バレエを教えるということは、美しさや技術を伝えるだけではありません。
そこに立つ一人の先生として、生徒の身体や心に触れるということ。
そしてときに、人生にとって大きな影響を与える存在になるということです。

けれど、それだけ大切な役割であるにもかかわらず、バレエの指導には“資格”が必要とされていないのが現状です。
それが当たり前になっている今のバレエ界に、「安全に指導する」という視点をきちんと持ちたいと考え、この資格が生まれました。

「ベーシック講座」は、すべての指導の出発点となる基礎の講座です。

この講座では、国家資格を持つ医師・心理師・栄養士・理学療法士などの専門家が、それぞれの専門分野から「バレエを安全に教えるために必要な知識」をわかりやすく解説してくれます。

たとえば、成長期の子どもの骨の変化。
過度な柔軟性がもたらすリスク。
心理的なプレッシャーが心と身体にどう影響するのか。
食事や栄養が、どう踊りや集中力に関係するのか。

こうした知識を学んだ受講者の多くが、口をそろえて「もっと早く知りたかった」と語ってくださいます。

たとえば、足首から下の構造を学んだことで、ポワントやシューズフィッティングの重要性を理解し、子どもたちに合う靴を選ぶ責任を感じた方。
腰痛やターンアウトの苦手意識に悩んでいた方が、生体力学や解剖学からアプローチすることで、身体の使い方そのものが変わったという声。
ダンサー時代の摂食障害の体験から、「ダイエットが当たり前」という空気に疑問を抱き、今後は生徒たちに正しい知識を伝えたいという決意を抱いた方もいらっしゃいます。

また、心理的な側面からの講義を通して、「感覚は個々のもの」「生徒自身が感じていることが事実」と理解したことで、指導の言葉に慎重さと温かさが増したという方もいらっしゃいました。

さらに、実技講義のエクササイズでは、自分の身体が実際に軽くなる、動きやすくなるという変化を体感し、「感覚」だけでなく「根拠ある指導」の大切さを実感したという声も多く届いています。

講座の中で繰り返し語られるのは、「感覚だけで教えるのではなく、伝わるように伝える」ことの大切さ。
知識と実感が結びつくことで、自分のレッスンに安心感が生まれ、指導にも余裕と確信が育っていく──そんな変化を感じた受講者がたくさんいらっしゃいました。

そして何よりも、「学ぶことが楽しい」と感じた方が多かったことも、この講座の特徴です。
「昔の自分にこの講座を受けさせたい」「知識をもっていれば避けられたかもしれないと感じる過去がある」
そんな声の奥にあるのは、未来の生徒たちへの思いやりであり、「今度こそ、正しい知識を持って指導したい」という強い願いでした。

また、講座では知識の詰め込みではなく、「どう伝えるか」「どう受け取ってもらえるか」という、教育としての視点も大切にしています。

身体はひとつとして同じものはありません。
年齢や経験、心の状態によっても、必要な言葉や対応は変わっていきます。
だからこそ「正しい知識を、自分の言葉に置き換えて伝える力」──これを育てていくことが、ベーシック講座の真の目的でもあります。

指導者自身が安心して教えることができてこそ、生徒も安心して踊ることができる。
この講座は、そんな“当たり前だけれど、これまで語られてこなかった”大切な価値観を、ひとつずつ形にしていく場でもあります。

資格取得を目指す方も、今すぐに指導の現場で活かしたい方も、まずはこのベーシック講座から学んでみてください。
きっと、これからのあなたの指導に「安心」と「確信」をもたらしてくれるはずです。

ぜひ今のご自身の指導に不安を感じる方、より良い指導方法を学びたい方、ご自身の指導者としての過ごし方や生き方についても一度立ち止まって整理したい方は、ベーシック講座からはじめてみませんか?

本資格が、あなたのお役に立てますことを願っております。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局