みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回は、『成長期の子どもたちを守る、エネルギーとパフォーマンスの新しい常識』というテーマで、子どもたちにとって、大袈裟ではなく人生に関わるお話をしていきたいと思います。

私たちの願いは、社会とバレエ界をつなぎ、子どもたちが安心できる環境を作ることです。
そのため、あえて先生方には耳の痛いお話になるかもしれません。
しかし、時代の変化による「価値観のズレ」や、世間がバレエ界の常識に抱く「違和感」を、少しでもなくしていくきっかけになれば幸いです。

先生、生徒、保護者の方と共通したお悩み

私たちが、日々、お教室の先生や生徒、保護者の方々とお話をする中で、お悩みの上位に上がるのが、食事のタイミングです。
生徒であれば、「学校から帰ってスタジオに行くまでの間」、保護者の方であれば、「夜ご飯をいつ食べるか」、また先生であれば、「長時間の練習時にどのように栄養補給をすれば良いのか」、といった、それぞれの視点でのお悩みをとても多くお聞きしています。

私たちの資格では、スポーツ栄養士の伊藤あゆみ先生を講師に迎え、栄養や食事に関する基礎から応用的な知識をご教授いただいておりますが、やはり全国各地のすべての皆さんにお届けできてないのが現実です。

そんな中、やはり危険な価値観が未だ存在しておりますので、その点について今回はお伝えしたいと思います。

「食べない美学」からの脱却と、指導者の責任

かつて、そして今もなお、バレエ界の片隅には「痩せていることこそが正義」「食べない努力は美しい」という、ある種の信仰が残っています。
しかし、私たちは今、その古い常識を捨て去らなければなりません。
なぜなら、バレエとは本来、優雅な見た目とは裏腹に、極めて過酷な「頭脳戦」であり、「全身運動」だからです。

バレエは、脳と筋肉をフル稼働させる「超・高負荷アプリ」

先生方はよくご存知のはずです。バレエという芸術が、どれほど高度なマルチタスクを要求するかを。

指先の数ミリ単位の繊細な筋肉のコントロール。 重力を無視したかのようなダイナミックな跳躍や回転。
そして、複雑な振付や空間構成を瞬時に処理し続ける記憶力と判断力。
さらにこれら全てを、音楽に合わせて「高い集中力」で同時に行う。

言わば、バレエは、最新のスマートフォンで最も重たい「高画質3Dゲームアプリ」と「動画編集アプリ」を同時に起動しているようなものです。
それだけの処理をこなす脳(CPU)と、身体(ハードウェア)には、当然ながら莫大な電力(エネルギー)が必要となります。

「充電1%」で、最高パフォーマンスは出せない

では、もしそのスマートフォンが「充電残り1%」の状態だったらどうなるでしょうか?
画面は暗くなり、アプリの動きはカクつき、やがて強制的にシャットダウンしてしまいます。

私たちが生徒に「痩せるために食べない」「体が重くなるから空腹で」と強いることは、まさにこの「充電切れ寸前のスマホ」に向かって、「最高画質でサクサク動け!」と命令しているのと同じです。

これは精神論でどうにかなる問題ではありません。物理的なエネルギー不足です。

「省電力モード」に陥る子どもたち

食事(=充電)を抜いてエネルギーが枯渇すると、人間の脳と体は、生命を守るために自動的に「省電力モード」に入ります。

こうなると、先生がどれだけ熱心に注意を飛ばしても、生徒の脳というCPUは処理落ちを起こしていますから、反応できません。
筋肉への出力も制限されます。

「もっと高く!」「もっと強く!」と指示しても、そもそも動かすための電力が供給されていないのですから、動きが鈍くなるのは当然です。
それを「気合が足りない」「集中していない」と叱責するのは、バッテリーのないスマホを「もっと明るく光れ!」と叩いているようなもので、何の意味もありません。

バッテリーそのものが劣化する(寿命が縮む)

さらに恐ろしいのは、充電しながら使う、あるいは0%まで使い切るような過酷な使用を繰り返すと、スマホの「バッテリー最大容量」そのものが劣化してしまうことです。
成長期に過度な食事制限(エネルギー不足)を続けることは、まさにこの「バッテリーの劣化」を招きます。

一度失われた骨密度や、止まってしまった生理機能は、大人になってから充電し直そうとしても、新品の状態には戻らないことがあります。
「バッテリー寿命(=ダンサーとしての選手生命)」を、指導者である私たちが縮めてしまってはいけません。

「補食」はモバイルバッテリー

これからの指導現場に必要なのは、「こまめな充電」の習慣化です。

レッスン前の補食は、モバイルバッテリーで予備充電をするようなもの。
おにぎりやバナナを口にすることは、決して「おやつ(間食)」ではありません。
長いリハーサルや高強度のレッスンという「高負荷」を乗り切るための、必須の給電タイムです。

「充電しないで来なさい(空腹で来なさい)」という美学は、もう捨てましょう。

「しっかりフル充電して、最高のパフォーマンスを見せて!」

そう送り出すことこそが、高機能な「身体」というデバイスを預かる、プロの指導者のマナーではないでしょうか。

ガス欠の車が走れないように、充電切れのスマホが動かないように。 エネルギーのない身体に、美しい芸術は宿りません。
まずは私たち指導者が、「食べること=トレーニング」という新しい常識へと、アップデートしていきましょう。

共に学び、日本のバレエの未来を変える

「どうすれば、子どもたちのバッテリーを劣化させずに、その性能を最大限に引き出せるのか」。
その具体的な答えを、私たちと一緒に学びませんか?

私たちの運営する「バレエ安全指導者養成スクール」では、ジュニア期特有の栄養学をはじめ、成長期の子どもたちの身体の仕組み(解剖学)や、繊細な心のケア(心理学)まで、これからの指導者に必須の知識を網羅したカリキュラムをご用意しています。

精神論ではなく、医学的・科学的根拠に基づいた指導法へ。
子どもたちの健康を第一に守りながら、同時に最高のパフォーマンス(芸術)を導き出すためのメソッドを、ぜひここで手に入れてください。

既に多くの先生方が、それぞれの地域や現場で「安全な指導」を実践し、日本のバレエをより良くしていくための新しい風を吹かせてくださっています。
未来のバレエ界を支え、変えていくのは、正しい知識と深い愛を持った、あなたのような指導者です。

子どもたちが安心して踊り続けられる未来を、私たちと一緒に創り上げていきましょう。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局

◉バレリーナのセルフチェックガイド
https://safedance.jp/bmst/selfcheckguide/

◉ジュニアバレリーナと指導者のための婦人科ガイド
https://safedance.jp/bmst/gynecology/

◉バレエメディカルサポートチーム
https://safedance.jp/bmst/

◉安全指導のプロフェッショナルになるためのバレエ安全指導者養成スクール
https://safedance.jp/study/school/