みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
今回は、『成長期の子どもたちにとっての「言葉」と「食」の責任──栄養学で気付くこと』というテーマで、講座で学ぶ意味をお話したいと思います。
成長期の子どもたちにとって、指導者の言葉は想像以上に大きな影響力を持ちます。
その一言が希望にもなれば、心を永遠に縛る呪いにもなり得ます。
「もっと痩せなくちゃね」
「そのままだと舞台に上げられないよ」
そんな言葉を、悪気なく口にしてしまったことはありませんか?
その一言が、生徒の身体と心の発達に深い影響を与える可能性があります。
成長期は、骨・筋肉・ホルモン・神経、そして心までもが大きく変化していく時期です。
この時期に必要な栄養が十分に摂れていなければ、骨密度の低下や筋力不足、ホルモンバランスの乱れなど、将来的な健康リスクを抱えることになります。
それは単なる「体型」の問題ではなく、成長そのものを止めてしまうことにほかなりません。
食事とは、身体をつくるだけでなく、心を育てる時間でもあります。
家族や仲間と囲む食卓が、「太る」「食べてはいけない」という恐怖の時間に変わってしまったら、
その子は、安心して自分の身体を信じることができなくなってしまうかもしれません。
そしてもう一つ、忘れてはならないことがあります。
人間が生きる上で、食事は最も大切で、かけがえのない時間です。
誰かと語らい、味わい、生命をつなぐために行うこの時間を奪うことは、たとえどんな理想のためであっても、許されることではありません。
それが、あなたのバレエの理想を追求するためであっても、人としての権利“生きることの喜び”を奪うことは決して許されないのです。
成長期の子どもたちにとって、それらの情報は強い影響力を持ちます。
だからこそ、美を教える立場にあるバレエの指導者こそが、率先して正しい知識を持ち、
生徒の心を惑わせない姿勢を示すことが求められるのではないでしょうか。
ダンサーに本当に必要なのは、「細さ」ではなく「動ける身体」
そして、「見た目の軽さ」ではなく、「表現の深さ」
踊りとは、身体を通じて想いを伝える芸術です。
その身体が壊れてしまえば、表現もまた失われてしまいます。
栄養学を学ぶことは、単に「食事指導のため」ではありません。
それは、生徒の身体と心を守る知識を身につけるということ。
「どんな食事が必要か」だけでなく、
「どんな言葉がその子を支えるか」までを考えられる力を育てることです。
そして何より、教師自身が健やかであること。
生徒は、先生の背中を見て育ちます。
先生が自分の身体を大切に扱っている姿は、何よりの教育であり、安心の源になります。
知らないままでは、守れないことがある。
けれど、知ることで救える未来がある。
栄養学を学ぶということは、踊るための身体を育てるだけでなく、
その人の人生を長く、豊かに支えていくための“教育”そのものです。
それが、指導者としての責任であり、
愛のかたちなのです。
バレエ安全指導者資格®︎ 事務局
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