世界で一番安全な バレエスタジオに向けて。 講師紹介|瀧田絵美先生
怪我への初期対応を学ぶように、こころにも「早く気づき、適切につなぐ」ための知識が必要です。バレエ安全指導者資格®︎で心理学のコースを監修・担当してくださっている瀧田絵美先生は、長年にわたりダンサー、アスリート、パフォーミングアーティストの心理支援に携わってきた専門家です。バレエの特殊な文化と現場を理解したうえで、こころの安全を日常の指導へ届けてくださっています。
MENTAL HEALTH COURSE SUPERVISOR
瀧田 絵美 先生 EMI TAKITA
- 公認心理師
- 臨床心理士
- キャリアコンサルタント
- ダンサー・アスリート・パフォーミングアーティストの心理支援
スクールカウンセラー、産業領域での心理支援を経て、2012年からダンサーやパフォーミングアーティストへの心理サポートを開始。2015〜2017年には国立スポーツ科学センターの女性アスリート支援プロジェクトで心理専門職員を務めました。現在もダンサーを中心に、個別心理サポート、メンタルヘルスケア講習、メンタルトレーニング、指導者へのコンサルテーションなどを行っています。
MENTAL FIRST AID AS A CULTURE
「こころの手当て」を、
特別なことではなく当たり前に
みなさま、こんにちは。セーフダンスアソシエーションです。
『世界で一番安全なバレエスタジオを目指して』。講師紹介シリーズ第8回は、心理学のコースを監修・担当してくださっている瀧田絵美先生をご紹介します。
バレエの世界では、解剖学、トレーニング、コンディショニングなど「身体を守るための学び」が少しずつ広がってきました。
一方で、心の変化は目に見えません。
眠れない。スタジオへ行くことが怖い。食べることへの不安が強くなる。以前は好きだったバレエを楽しめない。失敗すると自分自身を激しく責めてしまう。
こうした変化は、本人自身も「自分が弱いから」と抱え込み、周囲へ伝えられないことがあります。
こころの問題は、
「限界になるまで我慢してから扱うもの」ではありません。
小さな変化の段階で気づき、話せる人がいて、必要なら専門家へつながる。その仕組みをスタジオの日常に持つことが、これからの安全なバレエ教育には必要です。
FROM COUNSELING TO ELITE SPORT
学校、企業、スポーツ、舞台芸術。
さまざまな現場で「心」を支えてきた
瀧田先生は2008年に東京福祉大学大学院を修了し、臨床心理学修士を取得。
私設カウンセリングルームの心理カウンセラー、中学・高等学校のスクールカウンセラー、企業での心理支援などを経験された後、2012年からダンサーやパフォーミングアーティストへの心理サポートを始められました。
2015〜2017年には、国立スポーツ科学センターで、スポーツ庁受託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」の心理専門職員として女性アスリート支援に携わっています。
2018年からフリーランスとして独立し、現在もダンサー・アスリート・パフォーミングアーティスト・クリエイターなど、スポーツ・芸術分野のメンタルヘルスケアに力を注いでいます。
近年もバレエ学校・トレーニングプログラムでメンタルトレーニング講習や個人セッションを行い、自己理解、目標設定、呼吸、イメージトレーニングなどをダンサーの日常へ届けています。また、指導者に向けて「より良い声のかけ方」を考える講習・個別コンサルテーションも実施されています。
競技や舞台を知る心理専門職だからこそ、
「踊る人の心」に届く支援があります。
CURRENT PROFILE
瀧田絵美先生
プロフィール
2026年8月時点で確認できる公開情報をもとに整理しています。
- 資格
- 公認心理師、臨床心理士、キャリアコンサルタント
- 学歴
- 2008年 東京福祉大学大学院修了(臨床心理学修士)
- 初期の心理支援
- 2008年より、私設カウンセリングルーム、中学・高等学校のスクールカウンセリング、企業領域などで心理支援に従事。
- 舞台芸術への支援
- 2012年より、ダンサー、パフォーミングアーティストを対象とした心理サポートを開始。
- アスリート支援
- 2015〜2017年、国立スポーツ科学センターにて、スポーツ庁受託事業「女性アスリートの育成・支援プロジェクト」心理専門職員。
- 現在の主な活動
- フリーランスとして、ダンサー・アスリート・パフォーミングアーティスト・クリエイター等を対象に、個別心理サポート、メンタルヘルスケア講習、メンタルトレーニング、指導者支援などを実施。
TEACHERS AS A BRIDGE TO SUPPORT
指導者は、
「専門家への架け橋」になれる
心理学を学ぶと聞くと、「先生もカウンセリングができなければならないのか」と感じる方がいるかもしれません。
その必要はありません。
心理的な問題の評価や治療は、心理職や医療職など適切な専門家の領域です。
バレエ指導者に求めたいのは、別の役割です。
いつもと違う表情や行動に気づく/急いで答えを出さず話を聞く/「気持ちの問題」「根性不足」と決めつけない/本人のプライバシーを大切にする/必要に応じて保護者や心理・医療の専門家へつなぐ。
毎週会っている先生だからこそ、気づける変化があります。
治す人にならなくていい。
気づき、受け止め、つなげられる人になる。
それだけでも、生徒が一人で抱え込む時間を短くできる可能性があります。
MENTAL SUPPORTER WITH BALLET
心のサポーターwithバレエ コース
専門職になるためではなく、バレエに関わる人が「こころのSOS」に適切に向き合うための学び。
SUPERVISED BY EMI TAKITA
「こころの手当て」を現場へ
瀧田先生が監修・担当する「心のサポーターwithバレエ コース」では、心の問題を診断する方法ではなく、日常の中で変化に気づき、話を聞き、自分だけで抱え込まず、必要な支援へ橋渡しするための考え方を学びます。
- こころの変化・SOSへの気づき
- 相手の話を聞く基本姿勢
- 指導者だけで抱え込まない考え方
- 心理・医療等の専門家との連携
- バレエ特有の環境とメンタルヘルス
FROM INDIVIDUAL PROBLEM TO SHARED CULTURE
「本人だけの問題」から、
「みんなで守る文化」へ
心の不調は、本人だけが何とかするもの。
相談するのは弱い人。
メンタルトレーニングは、心が弱い人のためのもの。
こうした認識が残っていると、支援を必要としている人ほど声を上げにくくなります。
瀧田先生が届けているのは、その逆の文化です。
こころの手当てを、
特別な誰かだけが行うものから、
バレエに関わる人みんなの共通知識へ。
自分の状態を知る。困った時に人へ話す。必要なら専門家を頼る。周囲の人が変化に気づく。
こうした行動が「弱さ」ではなく、自分を守りながら挑戦を続けるための力として受け止められるスタジオを増やしていきたいと考えています。
SUPPORT THE SUPPORTER
生徒だけではなく、
指導者自身のこころも守る
心について学ぶことは、生徒のためだけではありません。
指導者もまた、発表会、コンクール、保護者対応、経営、生徒の進路、怪我やトラブルなど、多くの責任を抱えています。
「先生だから弱音を吐いてはいけない」と抱え込み続ければ、その余裕のなさが指導の言葉や判断に影響することもあります。
自分の疲労やストレスに気づく/一人で抱えない/相談先を持つ/休む/自分の指導について第三者と振り返る。指導者自身を守ることも、安全な教室環境を維持するための大切な要素です。
支える人にも、
支えられる場所が必要です。
BALLET SHOULD ENRICH LIFE
バレエと出会ったことで、
人生が豊かになったと言える世界へ
バレエには、厳しさがあります。
思うように踊れない日、選ばれない日、怪我をする日、進路に迷う日もあります。
安全なバレエとは、それらをすべて取り除くことではありません。
苦しい時に一人にならないこと。困った時に声を上げられること。バレエでの結果と、人としての価値を同一視しないこと。そして、必要な支援へつながれること。
バレエで傷つくことを「仕方ない」にせず、
バレエと出会ったことで人生が豊かになる環境を。
瀧田先生が長年の現場経験から届けてくださる知見を、一人ひとりのスタジオへ。
身体だけでなく、心まで守れるバレエ文化を、私たちはこれからも専門家の先生方とともにつくっていきます。
MENTAL HEALTH AS PART OF SAFE TEACHING
身体と同じように、
心も安全指導の対象へ
心理専門職の知見を学び、気づき・傾聴・連携という判断力を持つ指導者へ。
BALLET SAFE TEACHER SCHOOL
バレエ安全指導者養成スクール
心理だけでなく、整形外科、婦人科、栄養、理学療法など各領域の専門家とともに、生徒の身体・心・生活を守るための判断力を横断的に学びます。
- メンタルヘルスの基礎
- 心理的安全と指導環境
- 摂食障害などの初期サイン
- 指導者自身のセルフケア
- 専門家へつなぐ判断
PROFILE SOURCES
プロフィール・活動確認に使用した公開情報
本記事のプロフィールは、2026年8月時点で確認できるセーフダンスアソシエーション、バレエ安全指導者資格®︎、アーキタンツ等の公開情報をもとに整理しています。心理的不調、摂食障害、トラウマ等の評価・診断・治療は心理職・医療職等の専門領域です。バレエ指導者が単独で診断や治療を行うのではなく、本人の安全とプライバシーに配慮しながら、必要に応じて適切な専門家へつないでください。