みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
『世界で一番安全なバレエスタジオを目指して』というテーマの第7回目。
「バレエ安全指導者資格®︎」にて、心理学の講義を担当してくださっている藤澤翠美花先生をご紹介いたします。
バレエを愛し、長く踊り続けてきた人ほど、「教えること」をこれまでの経験の延長線上で捉えてしまいがちです。
しかし、素晴らしいダンサーが必ずしも素晴らしい指導者になれるとは限りません。
なぜなら、「踊る技術」と「人を育てる技術」は、全く別のOSで動いているからです。
心と身体、両面の「現場感」を持つ希稀な専門家
藤澤先生は、公認心理師として専門的な活動をされているだけでなく、ご自身も幼少期から新体操やバレエに打ち込み、現在は競技ダンサーとして第一線で活躍されています。さらに、ジャイロトニックやジャイロキネシスのトレーナー資格も取得されており、まさに「文武両道」を体現されている先生です。
心理学という心の専門性と、ダンサー・トレーナーとしての身体の専門性。この両面からアプローチできるリアルな現場感は、バレエ業界にとって極めて貴重な存在といえるでしょう。
「教えるとは何か」を科学する
藤澤先生が担当されているのは、「教育心理学」の講義です。
これは、本資格の哲学講義でも根幹となっている「教えるとは何か?」という問いに対し、心理学的な側面から明確な指針を与えるものです。
私たちは日頃、何気なく「指導」という行為を行っています。
しかし、本来「教える」という営みには、自ら踊ること以上に高度な専門性が求められるはずです。
自分というコントロール可能な存在ではなく、自分以外の「他者」をいかにしてより良い世界へ導くのか。
そのメカニズムを解き明かすのが、この講義の目的です。
無意識の「加害」を防ぐ知性
私たちがバレエの指導現場においてまず向き合うべきは、「感覚だけで教えること」の危うさです。
「自分の時はこうだった」「なんとなくこう感じる」といった主観的な成功体験や感覚は、時として重大な間違いを引き起こします。
それが単なる技術的なミスであれば修正も可能ですが、指導者の無意識な言葉や振る舞いが、生徒の心に一生消えない「呪い」のような傷を残してしまう可能性も少なくありません。
実際、バレエ業界には、心ない指導によって踊ることが嫌いになったり、深い自己肯定感の喪失に苦しんだりした経験を持つ方が決して少なくないのが現実です。こうした悲劇を二度と繰り返さないためには、指導者が無意識のうちにどのような心理的な罠(陥穑)に陥りやすいのか、そしてそれを回避するにはどうすれば良いのかを、あらかじめ学んでおく必要があります。
バレエの現場では、指導者が放つ何気ない一言が生徒のセルフイメージを決定づけてしまいます。
たとえ「もっと努力しなさい」という言葉であっても、適切な発達段階や心理状態を考慮せずに投げかけられれば、それは教育ではなく、生徒の可能性を無残に摘み取る「呪い」へと変貌しかねません。
教育心理学を学ぶということは、自分自身の「無意識の癖」を知ることであり、自分の言葉が相手の心にどう届くのかというメカニズムを理解することです。
この知性は、指導現場におけるハラスメントや心理的な挫折を防ぐための、最も強力な防具となります。
現場感が生む「生きた言葉」
藤澤先生の強みは、公認心理師としての深い知見がありながら、今もなお競技の現場で自らの身体を動かし続けている点にあります。
学問としての心理学を語るだけでなく、舞台に立つ者の緊張感、身体が変わっていく喜びや苦しみを知っているからこそ、その言葉には指導者の心に深く突き刺さる「重み」があります。
藤澤先生の講義を通じて、「他者の人生を預かる責任」を改めて見つめ直し、自信を持って生徒の背中を押せるようになるための、科学的な根拠に基づいた指導の指針を手に入れてください。
指導者が学び続ける姿こそが、生徒にとって最高の教育になります。
心と身体のプロフェッショナルである藤澤先生の知見を借りて、真に安全で豊かな指導のあり方を探求してみましょう。
世界で一番安全なバレエスタジオを、ぜひあなたの手で。
バレエ安全指導者資格®︎ 事務局

藤澤翠美花 先生
公認心理師
臨床発達心理士
GYROTONIC®トレーナー
GYROKINESIS®トレーナー
プロ競技ダンサー
【担当講義】
1)バレエ指導のための教育心理学