みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
今回は、本日開催いたしました哲学者・樋笠勝士先生をお迎えした哲学の講義の感想回となります。
本日のテーマは『美しいとは何か』、『芸術とは何か』
美しさの象徴であり、総合芸術として語られるバレエ。その本質へ踏み込む講義を行えたことは、本資格としても大きな喜びです。
「当たり前にあるバレエ」という文化の重さに気づく時間
私たちは、生まれたときからバレエに触れられる環境が整っています。
しかし、元々この国にはバレエという文化はありませんでした。
それでも今日、これほどまでにバレエが広まり、私たちの人生の一部になっているのは、先人たちが西洋の芸術に圧倒され、深く憧れ、その価値を必死に日本へと橋渡ししてくれたからです。
ところが、当時のように“文化を迎え入れる情熱”や、作品が生まれた時代背景・思想・社会との関係に触れることは、現代の私たちにとって決して容易ではありません。
技術は世界レベルに達し、海外で活躍する日本人も増えましたが、日本国内においてその文化的・精神的背景に触れる機会は決して十分とはいえません。
芸術という言葉を一つとっても、西洋での歴史、日本での歴史があります。
その生まれを知ることで、その言葉の持つ深さや重みはまったく異なるものとして立ち上がってきます。
技術だけでは辿り着けない「バレエの豊かさ」
180度のターンアウト、高い脚、回転数、ジャンプ力。
これらの技巧は確かにバレエの一部を構成しますが、それが芸術そのものではありません。
バレエの背後には、
- 宗教観
- 社会構造
- 芸術思想
- 時代特有の美意識
- 風土や身体観
といった「文化そのもの」が息づいています。
この深層に触れなければ、
“なぜこの作品がこの形をしているのか”
“なぜ国によって美の基準が異なるのか”
といった核心を語ることはできません。
しばし日本のバレエに対して「テクニックはあるけれど…」という声が挙がります。
しかしこれは、私たちがまだ“入り口にさえ立てていない分野”が多いことに起因しているのではないでしょうか。
だからこそ私たちは、バレエを取り巻く多様な分野の専門家からちゃんと学ぶという道を選んでいます。
哲学という「問いの学問」から、バレエ教育の未来が見える
今日の講義では、樋笠先生が「美とは何か」「芸術とは何か」という普遍的な問いを軸に、紀元前から続く思想の系譜をわかりやすい言葉で紐解いてくださいました。
ヨーロッパの芸術教育では、問いを持ち、考え、自ら答えを導き出す姿勢が当たり前のように育まれます。
一方、日本のバレエ教育には、未だに「正解を与える・正解を求める」構造が根強く残ります。
たとえ日本に歴史的建造物や土地的背景がなくとも、
“問いを起点とする教育的姿勢”を身につけることで、私たちは本場の芸術の核心に近づくことができる。
今回の講義は、その可能性を強く感じさせてくれるものでした。
樋笠先生から語られる多くの哲学者の言葉に触れ、私たちは改めて考えます。
バレエとは何か。
私たちにとってバレエとは何か。
この問いこそ、バレエ安全指導者資格®が中心に据えているテーマです。
考える力を育てることこそ、芸術教育の核心
美しさの意味を問い、芸術の価値を問い、文化を敬意とともに受け継いでいくこと。
そのためには、技術だけではなく、問い続ける知性が欠かせません。
“考える力を育てること”
それが、バレエ安全指導者資格®が大切にしている芸術教育の核心です。
本日の学びが、みなさまのバレエ人生に新しい視点と深さをもたらすことを願っております。
バレエ安全指導者資格®︎事務局
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