みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回のコラムでは、働き方や生き方を改めて考え、未来の自分にワクワクするためのコースである【ライフ&ワーク】の講義の中から一つテーマを取り出してお話したいと思います。

比べる必要のない世界 – ライフ&ワーク講義より

ユニクロがエルメスに「高すぎる」と文句を言うことはありません。
どちらも“服”を売っていますが、価値の置き方も、届けたい相手もまったく違うからです。

エルメスは、職人の手仕事と時間の積み重ねに価値を置き、「所有する喜び」を提供します。
一方、ユニクロは誰もが手に取れる価格で、「暮らしの快適さ」を届ける。
目的が違えば、価格も、アプローチも当然変わるのです。

これは、バレエの世界にもそのまま当てはまります。
「バレエを見てもらいたい」「体験してもらいたい」という目的は共通していても、
その中身や方向性は人それぞれ。

敷居を下げて多くの人にバレエの楽しさを伝えたい人もいれば、
芸術性を追求し、特別な体験としてのバレエを提供したい人もいる。
どちらも正解であり、どちらも社会に必要な存在です。

それなのに、バレエの世界では、同じ業界の中で対立や批判が起こることがあります。
「自分と違うやり方は間違っている」と感じてしまうのです。
けれど、実際には“向いている方向が違う”だけなのです。

もちろん、社会的に何か不具合のあるサービスであれば、徐々にそれは是正されていくでしょう。
まったくそのままであるということは、やはり社会自体が変化している中ではあり得ないものだと思います。

人は誰しも、自分の価値観を「基準」として世界を見てしまいがちです。
だから、自分よりうまくいっている人を見れば嫉妬し、
自分と違う考え方の人を見れば、無意識に否定したくなる。

けれど、そもそも私たちが目指している“世界”が違うのだとしたら、
比較すること自体に意味はないはずです。

ユニクロしかない世界。
エルメスしかない世界。

どちらもそれはそれでつまらないでしょうし、何よりも怖い世界だと思いませんか?

バレエの世界もまた、ユニクロとエルメスのように、多様であっていい。
誰に何を届けたいのか。
何に価値を置くのか。
その違いこそが、文化を豊かにし、世界を広げていくのです。

大切なのは、「どちらが正しいか」ではなく、
「自分はどんな世界をつくりたいのか」という問いです。
他人の評価や流行の基準に振り回されず、
自分の軸を見つめ直すことが、ライフ&ワークの出発点になります。

あなたは、誰のために踊りたいですか?
どんな人にバレエを届けたいですか?
そして、そこに込めたい想いは何でしょうか?

バレエに限らず、仕事も人生も同じです。
“比べる”のではなく、“選ぶ”こと。
自分が信じる価値を選び取り、それを丁寧に形にしていく。

その積み重ねが、やがてあなたという「ブランド」をつくっていきます。
あなたのバレエの価値は、誰かと同じである必要はありません。
“あなたらしいあり方”の中にこそ、
本当の意味での豊かさが宿るのです。

ライフ&ワーク講義より

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局

ライフ&ワーク:働き方、生き方を今一度見直したい方、自分の価値を改めて見つめ直したい、掘り起こしたい方のためのコース
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