みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

今回は、『指導者という道を歩むあなたへ ― バレエ安全指導者資格®の学びが与えてくれるもの』というテーマで、お話をしたいと思います。

「私に先生が務まるのだろうか」
「キャリアが浅い自分に、生徒を導く資格があるのだろうか」

そんな不安を抱えながら日々のレッスンに立つ先生は、少なくないと思います。あるいはまだ先生ではないけれど、挑戦したい気持ちを持ちながら迷っている方もいるでしょう。バレエを愛し、生徒を大切にしたいという想いがあっても、経歴や実績を目にすると心は揺れるものです。

けれども、本当の意味で「先生である」ことは、肩書きやキャリアの長さだけで決まるものではありません。大切なのは、学び続ける姿勢です。

なぜこの資格をつくったのか

私たちが長くバレエ界にて活動している中で、「バレエ安全指導者資格®」を創設するにあたり、まず大切にしたのは”バレエ業界の現状を見つめ直すこと”でした。
長い歴史と伝統をもつバレエは、芸術として豊かな文化を育んできました。しかしその一方で、スポーツや教育、医療といった外の分野と比べると、足りていない部分も多く存在していました。

たとえばスポーツの現場では、医学的知識や栄養、心理的なケアが体系的に導入されています。選手を守り、パフォーマンスを高めるために、専門家がそれぞれの役割を担い、チームとして支える仕組みが整っています。
ところが、日本のバレエの現場では、指導の大半が経験則に委ねられてきました。成長期特有の心身について、また大人や女性の身体への無理解により、結果として怪我や心身の不調に悩む生徒やダンサーが存在しています。

決して、外部の専門家が関わってこなかったわけではありません。これまでも医学や栄養学の専門家が良かれと思い助言をくださった例や団体自体も数多くあります。しかし、バレエの世界では「バレエを知らない人からの意見」を受け入れにくい土壌がありました。そのために、結局バレエ界の人間だけでなんとかしようとしてしまって、せっかくの知見が現場に浸透せず、問題の解決に結びつかなかったのです。
私たちは、そここそ改善しなければならない問題であると考えました。

  • バレエの世界に長く身を置いてきた人
  • 医師や心理士、栄養士といった外部の専門家
  • 他分野で活躍するスペシャリスト

こうした人々が互いに歩み寄り、問題を共有し、それぞれの強みを持ち寄る。外の世界の良い部分を積極的に取り入れながらも、バレエ独自の感性や芸術性を損なわないよう調和させる。
その両立こそが、これからのバレエ教育に必要だと確信しています。

学ぶ姿勢が生む「安心」

バレエ安全指導者資格®が大切にしているのは、「生徒を安心できる範囲で導ける先生」であることです。子どもの身体の発達を知ること。年齢に合った声かけを学ぶこと。必要なときに休ませる勇気を持つこと。それらは一見すると当たり前のように見えるかもしれませんが、実は多くの現場で見落とされがちな視点です。
私たちは、医療と国際的な基準を紹介するとともに、難しい理論を振りかざすのではなく、先生自身の心に「新しい基準」を育てることを原点にしています.

宿題という「心のトレーニング」

本資格では、従来の資格のような筆記試験を行っていません。その代わりに「宿題」という形式をとっています。その理由は、学んだことを一字一句間違えないように暗記したとしても、現場では活かせないからです。
この宿題は、「学んだことを通して自分の心がどう変わったか」「生徒を想像したときにどう伝えるか」を言葉にしていくものです。知識を知識のままに終わらせず、現場で生きる力へと変えるプロセスこそを重視しています。

修了証が意味するもの

コースを修了すれば「修了証」が授与されます。これは「学びを通して新しい視点を得た」という証です。さらに希望する方は、任意で試験を受けて「認定講師」としてもう一歩進むこともできます。
けれども、修了そのものにすでに大きな価値があります。宿題を通して心の変化を確認したとき、先生の中に新しい指導の軸が芽生えているからです。その変化こそが、生徒にとっての安心と未来への支えとなります。

学び続ける大人の背中が、子どもに未来を示す

キャリアに自信がなくても、まだ先生として歩み出していなくても、大丈夫です。
大切なのは「学び続ける姿勢」であり、それこそがあなたを指導者へと育てていきます。
そして、その姿は生徒や保護者にとって大きな安心となります。なぜなら、「学び続ける大人」の存在そのものが、子どもたちにとって信頼の証だからです。

日本では、海外と比べて「大人になると学ばなくなる」と言われることがあります。もし生徒が「私の先生、何も知らない」と感じてしまったらどうでしょう。逆に「私の先生は、今でも勉強を続けていてすごいんだよ!」と誇らしげに話せる先生であったら、どちらが子どもたちにとって幸せでしょうか。

先生が「先生」と呼ばれるのは、ただ年齢が上だからでも、経験年数が多いからでもありません。
バレエを専門とし、常に探求し続ける姿勢を持つからこそ、先生は先生であるのです。

だからこそ私たちは、「学び続ける背中」を見せる大人でありたいと願っています。その背中は、子どもたちや生徒にとって未来を指し示す灯りとなります。

学ぶことに不安を感じる先生へ

「学んだ経験が少ないけれど大丈夫だろうか」
「新しいことを学ぶのが少し怖い」

そんな不安を抱えている方も、安心してください。
バレエ安全指導者資格®には、あなたを闇雲に否定する講義は一つもありません。

これまでの経験や感覚を振り返り、「自分の感じていた違和感は間違っていなかった」と気づけたり、「これでよかったんだ」と安心できたりする場面がたくさんあります。
また、ときには全く違うジャンルの学びに触れることで、自分では気づいていなかった新しい可能性や好奇心の扉が開かれることもあります。
それは、知識の不足を埋めるというよりも、「あなたの中にすでにあった芽に光を当てるような学び」です。

資格取得のプロセスは、誰かと比べられるものでも、試されるものでもありません。
自分の歩幅で学び、感じたことを言葉にしていく中で、自然と指導者としての土台が育っていきます。

「まだ学んでいないから不安」という気持ちを抱えているなら、それはむしろ大きな強みです。
なぜなら、その気持ちがあるからこそ、新しい学びを素直に受け取れるからです。

ここでの学びは、あなたの過去を否定するものではなく、未来を広げていくためのもの。
不安を持ったままでも大丈夫です。その一歩を踏み出すことが、もうすでに指導者としての成長の始まりなのです。

未来へ

バレエは舞台の輝きだけでは成り立ちません。日々の稽古場こそが、生徒の人生を形づくる大切な場です。その場を安全で温かい場所にすること。それが指導者の最も大切な役割です。そしてその役割を支えるのは、経歴や肩書きではなく、学びから生まれる姿勢と心の在り方です。

不安や迷いがあっても構いません。その気持ちを持ったまま学びに踏み出すことができます。バレエ安全指導者資格®は、その一歩を支えるためにあります。

「知ること」
「考えること」
その積み重ねが、やがて「自分を信じる力」へと育っていきます。

先生自身の学びが、生徒たちにとっての未来を照らす光になる。
そのことを忘れずに歩みを進めていただきたいと願っています。

そして私たちもまた、常に進化し続けます。
変わりゆく社会や教育環境の中で、指導者の方々が必要とする学びを、より確かな形でお届けしていきます。

どうか、あなたの指導者としての大切な一歩、そして長い指導者人生を豊かにする学びを、この資格で積み重ねてください。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局

まず本資格の学びに触れてみたい方、基本を習得したい方はこちらのコースからご参加ください。
指導者コース ベーシック講座
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