世界で一番安全な バレエスタジオに向けて。 講師紹介|スポーツ栄養学 伊藤あゆみ先生
踊る身体をつくるのは、レッスンだけではありません。学校へ行き、食べ、眠り、回復し、また踊る。その毎日を支える「食」は、成長期のダンサーにとって身体づくりとパフォーマンスの土台です。バレエ安全指導者資格®︎で栄養学を担当してくださっているのが、管理栄養士・公認スポーツ栄養士の伊藤あゆみ先生です。
BALLET SAFE TEACHER INSTRUCTOR
伊藤 あゆみ 先生 AYUMI ITO
- 管理栄養士
- 日本スポーツ協会・日本栄養士会認定 公認スポーツ栄養士
- Feel & Eat(フィールアンドイート)代表
幼少期から約20年間クラシックバレエを学び、自身も思春期に「美しい体型」と「健やかに踊れる身体」の両立に悩んだ経験から、ダンサーの食とヘルスケアを支える専門家を志した伊藤先生。現在は広島を拠点に、全国のアスリートやダンサーへ個別栄養サポート、チーム支援、講義・セミナーを行っています。
WHY SPORTS NUTRITION IN BALLET?
なぜ、バレエ指導者が
「スポーツ栄養学」を学ぶのでしょうか
みなさま、こんにちは。セーフダンスアソシエーションです。
『世界で一番安全なバレエスタジオを目指して』。講師紹介シリーズの今回は、栄養学を担当してくださっている伊藤あゆみ先生をご紹介します。
食事は、ダンサーである前に、一人の人間として生活し、成長し、回復するための土台です。
特にジュニア期は、身体そのものが大きく成長する時期と、レッスン量が増えていく時期が重なります。学校生活を送りながら、夕方から夜までスタジオへ通う子も少なくありません。
「学校からスタジオへ行く前に何を食べればいい?」「長いリハーサルではいつ補食する?」「夜の食事はどう考える?」。
こうした日常の疑問は、単なる献立の問題ではなく、健康とパフォーマンスの両方に関わります。
食事は、レッスンの外にあるものではなく、
踊るための準備と回復の一部です。
HER OWN BALLET EXPERIENCE
「ダンサーを食から支えたい」。
その原点は、ご自身のバレエ経験に
伊藤先生は、4歳頃から約20年間、クラシックバレエを学んでこられました。
その中で、思春期に体型と食事の問題に悩み、長期の通院が必要となる経験をされたことが、スポーツ栄養の道へ進む大きなきっかけになったと公式プロフィールで紹介されています。
「踊りたい」。でも、身体を軽くしたい。「食べなければ」と思う一方で、元気に踊るためには食事が必要。
ダンサーが抱えやすいこの葛藤を、教科書の外側からも理解されていることが、伊藤先生の講義の大きな特徴です。
広島女学院大学で栄養学を学び、管理栄養士の国家資格を取得。卒業後はスポーツジムや病院で栄養指導・セミナー経験を積み、2016年に公認スポーツ栄養士の認定を取得。2018年に「Feel & Eat」として独立されています。
「食べること」と「踊ること」を、
対立させない。
CURRENT PROFILE
伊藤あゆみ先生
プロフィール
現在確認できる公式プロフィール・活動情報をもとに整理しています。
- 現在の活動
- 管理栄養士/公認スポーツ栄養士/Feel & Eat代表。広島を拠点に、全国のアスリート・ダンサーを対象とした栄養サポート、講義、セミナー等を行う。
- 学歴・資格
- 広島女学院大学で栄養学を専攻し、管理栄養士国家資格を取得。2016年、日本スポーツ協会・日本栄養士会認定 公認スポーツ栄養士に認定。
- バレエ経験
- 幼少期から約20年間、クラシックバレエを学ぶ。自身の食事・体型・健康に関する経験をきっかけに、ダンサーの栄養支援を専門領域の一つとして活動。
- 主な継続活動
- ATHER sports performance、フリースタイル・モーグル日本代表チーム、SAFE DANCE ASSOCIATION バレエ安全指導者資格®︎、アーキタンツ・トレーニング・プログラム、公認スポーツ栄養士チーム Rainbow Ring Project など。
- 主な支援内容
- 個別栄養相談、チームへの栄養セミナー、合宿帯同、指導者養成講習、ダンサー向けセミナー、海外バレエ留学生や受験生の個別サポートなど。
NUTRITION FOR DANCERS
「細さ」をつくる栄養学ではなく、
踊り続けられる身体を支える栄養学
ダンサーの栄養について語るとき、どうしても体重や体型の話に偏りがちです。
けれど、伊藤先生が大切にされているのは、パフォーマンスを出発点に、食事・身体・心を広く捉えることです。
バレエTVで公開されている講義紹介でも、見た目の美しさだけでなく、タフに踊れる体力、しなやかな筋肉、障害予防のためのリカバリー、表現を生む心、過酷な環境へ適応する心身など、多くの要素を考える必要があると語られています。
アーキタンツ・トレーニング・プログラムでも2022年から継続して栄養学クラスを担当。2025年のクラスでは、栄養素の基礎、レッスン量に合わせた食事、レッスン前後の補食、自分に合った食事・補食ガイドづくりなど、日常へ落とし込む実践的な内容が扱われています。
「食べない努力」ではなく、
食べて、回復して、また踊れる身体へ。
成長期では特に、「体重を落とすこと」を最優先にした食事制限へ安易に導かないことが重要です。
IOCのREDsコンセンサスでも、運動に対して利用できるエネルギーが問題となる程度に不足する状態が続くと、骨、月経・生殖機能、心理面、代謝、免疫、パフォーマンスなど複数領域へ影響し得ると整理されています。
だからこそ、体重の数字だけではなく、「この子は必要なエネルギーを取れているか」「疲労から回復できているか」「月経や怪我などの変化はないか」という広い視点を持つことが大切です。
LECTURES IN THE BALLET SAFE TEACHER PROGRAM
伊藤先生から学ぶ、
栄養学の3つのテーマ
献立を覚えるのではなく、年代・活動量・健康状態を踏まえて「どう考えるか」を学びます。
栄養学基礎
エネルギーや栄養素、食事の基本を整理し、バレエを含む身体活動を支える食事を考えるための土台を学びます。
ジュニア期の栄養
成長そのものに必要なエネルギーと、学校・レッスン・リハーサルを両立するための食事、補食、生活リズムを考えます。
女性・ダイエットと栄養/高齢者栄養・骨粗鬆症
ライフステージによって変化する栄養課題を扱い、体型管理を「減量」だけで考えない視点、女性の健康や骨の健康を長期的に守る考え方を学びます。
FROM NUTRITION KNOWLEDGE TO SAFE JUDGMENT
栄養を学ぶ目的は、
先生が栄養士になることではありません
「この子には何kcal必要」「この食品を何g食べなさい」。こうした個別の栄養管理を、バレエ教師が独断で行うことが学びの目的ではありません。
指導者が知っておきたいのは、たとえば長時間の練習には食事や補食の時間が必要だということ。極端な食事制限や体型への強い不安、月経変化、慢性的な疲労、繰り返す怪我などがあれば、「根性」や「自己管理不足」で片づけず、家庭と共有すること。
教室でできるのは、食べることを否定しない環境をつくること、補食・水分・休憩を取りやすいスケジュールを考えること、気になる変化を本人・保護者と共有すること。そして個別の栄養評価や治療が必要なら、管理栄養士・医師など適切な専門家へつなぐことです。
「何を食べさせるか」だけではなく、
「食べられる環境をつくれているか」を考える。
栄養学を学ぶことで、レッスン時間や休憩、声かけ、体型評価の仕方まで、教室の運営そのものが変わっていきます。
TOWARD A WELL-FUELED BALLET STUDIO
食べることを守れる教室が、
ダンサーの未来を守る
「食べると身体が重くなるから」「痩せるために空腹で来なさい」。そんな言葉が安全な指導として通用する時代ではありません。
学校からスタジオへ来る子に、補食を取る時間がある。長いリハーサルには休憩がある。食べている子をからかわない。体重だけで努力を評価しない。月経や疲労について相談できる。
こうした環境そのものが、栄養学を現場へ落とし込んだ姿です。
生徒の身体を預かるなら、
その身体を「動かす時間」だけでなく、
「育て、満たし、回復させる時間」まで考える。
伊藤先生が長年、アスリートとダンサーの両方を支えてこられた知見を、教室の毎日の判断へ変えていく。
私たちはその積み重ねによって、食べることを恐れず、健やかに長く踊れるバレエ環境を広げていきたいと考えています。
LEARN WITH SPORTS NUTRITION PROFESSIONALS
栄養の知識を、
毎日の安全な指導へ
「食べるな」と管理するのではなく、成長・活動・回復を支え、必要な専門家へつなげられる指導者へ。
BALLET SAFE TEACHER SCHOOL
バレエ安全指導者養成スクール
栄養だけでなく、整形外科、婦人科、心理など各領域の専門家とともに、子どもの身体・心・生活を守るための判断力を横断的に学びます。
- 栄養学の基礎
- ジュニア期の食事・補食
- 女性の健康と体型管理
- 骨の健康とライフステージ
- 管理栄養士・医療へつなぐ判断
PROFILE SOURCES
プロフィール確認に使用した公開情報
本記事のプロフィールは、現在確認できる伊藤あゆみ先生の公式サイト、アーキタンツ・トレーニング・プログラム、バレエ安全指導者資格®︎・バレエTV等の公開情報をもとに整理しています。個別の必要エネルギー量、減量、体重・体組成、食事内容、補食の量やタイミング、REDsや摂食障害等の評価は、指導者が単独で判断するものではありません。必要に応じて管理栄養士・医師・心理職等の専門家へご相談ください。