メッセージ

新体操安全コーチ資格 監修
小西夏生

新体操を始めて競技生活を終えた後も、指導という立場で新体操に関わる中で、私が強く感じているのは、成績や日本代表に選ばれることだけが新体操の価値ではないということです。大切なのは、そこへ向かうまでの「過程」。そして、その過程に寄り添うコーチの存在です。

実際に指導に伺った現場で、あるコーチが、すでにできている選手の動画を見せながら「ほら、こういうふうにやりなさい」と指導している場面に出会ったことがあります。その瞬間、私は強い違和感を覚えました。それは果たして“指導”なのだろうか、と。

できている姿を見せることは簡単です。
しかし、できない理由を理解し、どこでつまずいているのかを見つけ、その子に合った順序や言葉で伝えることこそ、コーチの役割ではないでしょうか。

コーチの言葉がけ一つ、関わり方一つで、子どもの自己肯定感や、その後の人生にまで大きな影響を与えることがあります。
また、正しい知識をもとに、できる限り怪我を最小限に抑えながら、子どもが自由に動ける身体を育てていくことも、コーチの大切な役割だと考えています。

選手として新体操を続け、そのままコーチになる人も少なくありません。
しかし実際に指導の現場に立つと、「自分ができること」と「人に教えること」は、全くの別物だと感じる瞬間が必ず訪れます。

技を教える順序、怪我を防ぐための安全な身体の使い方、そして、それをどんな言葉で伝えるのか。
指導には、経験だけでなく“学び”が必要です。
理屈を理解し、自分なりの言葉に変えて伝えられるようになることで、コーチ自身の迷いや不安は、自信へと変わっていきます。

大好きで始めた新体操を、大好きなままで終われるように。
安全と知識を土台に、自信を持って指導できるコーチのための資格です。