みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。
今回は、『順番を覚えられない生徒は、「努力不足」ではないかもしれません』というタイトルで、教育心理学の講義で学ぶ内容について少し共有していたいと思います。
順番を覚えられない生徒は、「理解できない」のではなく「受け取り方が違う」だけかもしれません
「さっき説明したばかりなのに、どうして順番が崩れてしまうのだろう」
「やる気はあるはずなのに、アンシェヌマンになると急に止まってしまう」
レッスンの現場で、そんなもどかしさを感じたことのある先生は少なくないはずです。
何度も丁寧に説明しているのに伝わらないと、「私の教え方が悪いのだろうか」「もっと集中させなければ」と、自分を責めたり、つい声を強めてしまったりすることもあるかもしれません。
けれど、その生徒は本当に「覚えられない子」なのでしょうか。
やる気や才能の問題ではなく、ただ情報の受け取り方が違うだけだとしたら、どう思われますか?
「認知特性」を知ると、指導の見え方が変わる
人にはそれぞれ、情報を理解しやすい“得意なルート”があります。これを心理学では認知特性と呼びます。
たとえば、
・動きを映像のように捉えるのが得意な「視覚優位タイプ」
・言葉や順序立てた説明で整理する「言語優位タイプ」
・音やリズム、カウントで理解する「聴覚優位タイプ」
もし先生が言葉で丁寧に説明するタイプで、生徒が「見て覚える」タイプだった場合、説明は決して間違っていなくても、生徒の頭の中ではうまく翻訳されず、動きが止まってしまうことがあります。これは集中力の問題ではなく、入力方法のミスマッチなのです。
生徒を変えるのではなく、「足場」を組み替える
スクール受講生の方の中にも、この考え方を学んだことで、「順番を覚えられない子」を違う目で見るようになった先生がいらっしゃいます。
「この子は、どの伝え方なら理解しやすいだろう?」と、生徒を観察する視点が加わったのです。
教育心理学では、生徒が理解しやすいように一時的なサポートを用意することを「足場がけ)」と呼びます。
言葉を減らしてカウントを強調する、最初は一部だけ踊らせる、動線を視覚的に示す——それらはすべて、生徒が自分の力で登っていくための足場です。
大切なのは、生徒を先生の型に無理に合わせることではありません。理解しやすい道筋を示すことで、生徒は安心し、自信を持って前に進めるのです。
「根性論」から抜け出した先にある、本当の成長
「指導のプロフェッショナルとは、相手の可能性を誰よりも信じ、それを引き出す責任を持つ人である」
この言葉の通り、感情や経験だけに頼らず、なぜそうなるのかという論理を知ることは、指導者にとって大きな力になります。
順番が覚えられなかった生徒が、「先生の説明、分かりやすい!」と目を輝かせる瞬間。
自信を失いかけていた生徒が、「自分にはこの覚え方がある」と堂々と踊り始める姿。
それは、知識という地図を手にした指導者だからこそ生み出せる変化です。
当スクールでは、認知特性や心理学の基礎を、バレエの現場ですぐに活かせる形でお伝えしています。
先生自身の「もどかしさ」を、「確信ある指導」へ変えるために。
情熱に、確かな裏付けを。
その一歩が、生徒の未来を大きく変えていきます。
バレエ安全指導者資格®︎ 事務局
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