
コース紹介
選べる2つのコース
ベーシックコース
(基礎課程)
バレエ安全指導の専門知識を理解するための基礎を学びます。
実践講座では学んだ基礎知識を「どのように実践に活かすか」と、その応用術も学んでいきます。
16歳以上ならどなたでも参加可能なコースであり、ダンス安全指導者資格取得の第一歩となるコースとなります。全日受講後に「ベーシックコース修了証」をお渡し致します。
ティーチャーズコース
(応用課程)
ベーシックコースを修了された方が参加可能なコースです。年齢ごとに必要な整形外科学、栄養学に加え、スポーツサイエンスや心理学など、指導者として必要なスキルを学んでいきます。専任講師による詳細な実践講習も大きな特徴の一つとなります。全日受講後にティーチャーズコースの修了証をお渡し致します。
ベーシックコース
日程 | 1時限目 11:00〜12:30 (90分) | 2時限目 12:50〜14:20 (90分) | 3時限目 15:00〜17:00 (120分) | 4時限目 17:20〜18:00 (40分) |
---|---|---|---|---|
1日目 | 総論・バレエ障害の概要 スポーツ医 | エクササイズサイエンス (生体力学の基本) スポーツ医 | 栄養学(栄養学基礎) スポーツ栄養士 | 実践講習 (重心とアライメント) 中谷広貴 |
2日目 | 動作分析&運動学 (静的姿勢評価) 理学療法士 | 動作分析&運動学 (動的姿勢評価) 理学療法士 | 実践講習 (ポイントワーク) 青木尚哉 | 実践講習 (引き上げと体幹) 中谷広貴 |
3日目 | 解剖学 (運動器の解剖) スポーツ医 | 解剖学 (循環器・呼吸器) スポーツ医 | 実践講習 (股関節) 藤野暢央 | 実践講習 (ターンアウトと股関節) 中谷広貴 |
4日目 | 安全講習 (外傷と障害、怪我の初期対応) 整形外科医 | 解剖学 (脊柱&体幹) 整形外科医 | 実践講習 (つま先) | 実践講習 (ジャンプのためのプリエ) 中谷広貴 |
2021年版 ベーシックコースの詳細
1日目
ベーシックコースの初日となる1日目。
1コマ目では骨や骨を動かす筋肉、筋肉に指示を与える神経系の解剖について学んでいきます。
2コマ目はバレエを踊る上で欠かせないターンアウトを作り出す股関節について学んでいきます。ここでしっかりと股関節はどのように動く関節なのかを学んでいくことで、バレエを踊ることはもちろん、普段の生活での動作や姿勢を考える上でも大いに役立ちます。
3コマ目ではロシア連邦認定バレエ教師である成川先生にバレエを踊る上での股関節の使い方、ターンアウトについて実際にロシアで学ばれた知識と経験を皆さんとシェアし、実際の指導現場で今日学んだ身体の知識とロシアのバレエ学校の生徒達が学んでいるターンアウトについて指導していただきます。バレエの入り口とも呼べるこの1日目は踊る方はもちろん、ティーチャーズコースに進む方にとっても、とても大切な一日となるでしょう。
2日目
コース2日目。
1コマ目は『呼吸器』と『循環器』の解剖と機能について学んでいきます。運動器の解剖がわかっていてもそれはわたしたちの体のほんの一部でしかありません。筋肉を動かすシステムを理解するためにはその資源を運ぶ血液循環や呼吸器についても知る必要があります。
踊っていても『呼吸して』と注意されることは度々あるかと思います。そして良いダンサーほど呼吸の質が高いことも事実あるかと思います。でもその『呼吸』とは人間の身体にどのような影響を与えているのでしょうか?『呼吸して』と簡単に言ってしまいますが、呼吸することの意味について医学的視点から学ぶところから2日目をはじめてみましょう。
2コマ目は『膝』について。初日に股関節を学びましたが、2日目は膝について学んでいきます。前十字靭帯断裂など、膝の怪我について度々見聞きされる方、そして実際に怪我をされている方も多いのではないでしょうか?膝の構造を知ることで膝という関節の特徴を知り、怪我を未然に防ぎましょう。
そして3コマ目の実践講習はバレエ専門トレーナーの中谷広貴さんによるバレエの膝についての講習です。膝を伸ばすとはどういうことか、張るとはどういうことなのか、プリエやタンジュ、パッセやその他沢山の動作において膝を感じることの多いバレエですが、その点について中谷先生から学んでいきましょう。
3日目
コース3日目。この日の1コマ目では『怪我』について組織レベルで学んでいきます。バレエにつきものである『怪我』ですが、そもそも怪我をするということはどういう状態で、どのようにそれは回復していくのでしょうか?
怪我をした時に体で起きていることやその治癒過程のメカニズムを知ることで、自身も怪我の状況や受け持つ生徒さんの状態を理解し、レッスンを休むことも含め、適切なアドバイスを行うことが出来るようになります。
2コマ目は『足関節』について学んでいきます。つま先を伸ばす、アーチ、甲、ハイルルベ、ポワントなど、足を使った表現や姿勢保持など、バレエの美しさを形作るこの『足関節』について学ぶことは、各関節同様に怪我のリスクを減らし、姿勢保持にもポーズの美しさにも繋がりますので、しっかり学んでいきましょう。
3コマ目の実践講習では元香港バレエ団プリンシパルで数々のコラムをチャコットにも執筆されている藤野暢央先生が登場。足についてのこだわりをもっていらっしゃる藤野先生が足の使い方について皆さんにじっくりと熱く指導してくださいますので、どうぞお楽しみに!
4日目
コース4日目。ベーシックコースの最終日。1コマ目は安全講習。怪我をした際の対処法を学びます。怪我をしてしまった際の対応を学ぶことはまさかの自体に慌てないで対応出来るだけでなく怪我の悪化を防ぐことにも繋がります。人の身体を受け持つ指導者として、その場のリスク管理をしっかり行えることは、生徒さん達や預けてくださる保護者の方々の信頼を得ることにも繋がりますので、しっかり学んでいきましょう。
2コマ目は脊柱の解剖学です。ここでは「背骨」について学んでいきます。背骨はその動きにフォーカスしがちですが、脳から繋がる脊髄という神経の束を守る大切な機能も持っています。そういったことも含め皆さんはその形態や機能をどこまで理解しているでしょうか。ティーチャーズコーズではこういった基礎的な知識を学んだ上での話が出てきますのでまずはベーシックコースで背骨の基礎をしっかり学びましょう。
3コマ目は『栄養学』です。バレエが『見た目の美しさ』を重視する分野であるからこそ、その容姿について多くの方が悩みを抱えています。成長期の無理なダイエットがその後の人生を大きく左右するように、アスリート同様に身体を酷使するバレエにおいて食事について、栄養について学ぶことはダンサーの健康に直結する大きなテーマだと言えます。スポーツ栄養士の伊藤先生から栄養の基本に加え、実践に活かすための栄養学を学んでいきましょう!
ティーチャーズコース
日程 | 1時限目 12:00〜13:30 (90分) | 2時限目 13:45〜15:15 (90分) | 3時限目 15:30〜17:00 (90分) |
---|---|---|---|
1日目 | 栄養学 (ジュニア期の栄養) スポーツ栄養士 | エクササイズサイエンス (筋活動のバイオメカニクス) スポーツ医 | 実践講習 (肩甲骨実践 アームス 上半身の使い方) 青木尚哉 |
2日目 | 栄養学 (女性、ダイエットと栄養 高齢者栄養 骨粗鬆症) スポーツ栄養士 | 心理学 (教育指導のための心理学) 臨床心理士 | 実践講習 (足のアーチ、 足指の使い方) 藤野暢央 |
3日目 | エクササイズサイエンス (神経伝達と筋収縮) スポーツ医 | エクササイズサイエンス (エネルギー代謝) スポーツ医 | 実践講習 (感覚について) 藤野暢央 |
4日目 | エクササイズサイエンス (有酸素運動・無酸素運動の適応) スポーツ医 | エクササイズサイエンス (オーバートレーニング、 ウォームアップとストレッチ) スポーツ医 | 実践講習 (ストレッチの指導方法) 青木尚哉 |
5日目 | 整形外科学 (脊柱、腰痛、体幹) 整形外科医 | 整形外科学 (ジュニア期、シニア期、女性の障害) 整形外科医 | 実践講習 (引き上げと骨盤、身体の安全な反らせ方) 中谷広貴 |
6日目 | 整形外科学 (股関節 膝関節 肩甲骨) 整形外科医 | 整形外科学 (足関節) 整形外科医 | 実践講習 (立ち方、ターンアウト) 成川さくら |
7日目 | 安全講習 (感染対策の基本) 整形外科医 | 安全講習 (初期救急) 整形外科医 | 修了テスト 認定式ほか |
2021年版 ティーチャーズコースの詳細
1日目
ティーチャーズコース初日。いよいよここから認定指導者になるための学びがはじまります。
最初はスポーツ栄養士の伊藤先生による『ジュニア期の栄養』から。ここではスタジオに通われる子どもたちの栄養について、ジュニア期に気をつけなければならない食事や栄養について専門的に学んでいきます。年代別、性別に気をつけるポイントがありますので、生徒さんの健康を守るプロの指導者としてもう少し踏み込んで具体的な学びを深めていきましょう。
2コマ目は『筋活動のバイオメカニクス』です。パーソナルトレーナーを目指す方が学んでいく分野でもありますが、筋肉を酷使するバレエもアスリートと同じと捉え、トレーナー同様の専門的知識を学んでいきます。バレエの世界でも見聞きすることの多くなった『床反力』をはじめ、地球上の運動は全て重力下で行われており、身体は力学の法則に従って動いています。バレエもまた重力に影響を受け、そのパフォーマンスが決定されていますので、ジャンプやピルエットの上手な人とそうでない人の差など、テクニックの動作分析にも役立つ分野でもありますのでお楽しみに。
3コマ目は振付家でダンサーの青木尚哉先生による上半身の動きにフォーカスを当てた『実践講習』です。バレエを踊る上で上半身の動きの大切さは皆さんがご存知の通りですが、今まで学んできた解剖学的知識や動作分析、運動学などの学びの先にある身体の自由をぜひこの時間に学んでいきましょう。青木先生独自の解剖学的、運動学的視点は身体を学んだ後にその基礎知識をどのように解釈し、実際の指導に応用することが出来るかというアーティスティックな学びにもなる時間です。
2日目
コース2日目。1コマ目は栄養学から。
バレエを習う方、指導する方でもっとも気になるダイエットと栄養や女性、アスリートの3主徴、高齢者栄養、骨粗鬆症など各年齢、性別、目指す目標それぞれに必要な知識を学んでいきます。栄養に関しては指導者も相談を受けることが多いと思いますが、それに適切に答えられず悩まれている指導者の方も多くいらっしゃると思いますので、ここでしっかり学んでいきましょう。
2コマ目は心理学。
バレエ指導者に心理学的な知識は必要でしょうか?
バレエを習い始めるのは早くて3歳頃から、そして高校を卒業する18歳まで一人の先生に学ぶことも少なくないと思います。家族よりも長く多くの時間を先生と過ごしていると言っても過言ではないかも知れません。お教室の中で先生が子どもたちに与える世界観、価値観の共有は、子ども達の人格形成にとってもその後の人生にも影響力も大きいこともまた事実であると考えます。先生の投げかける言葉一つで自己肯定感の低い人間や心身に支障をきたしてしまったり、先生が持つ世界や価値観の狭さが子どもたちの可能性の芽を摘んでしまうことにも繋がるかも知れません。近年スポーツの世界ではようやく取り上げられるようになった問題が、バレエやダンスの世界では【芸術】という言葉の中で曖昧にされてしまっていますが、ジュニア指導の際に起こり得ること、モラハラやパワハラについての知識を得ることもまた自身が加害者になることを未然に防ぐ術にもなりますので一緒にしっかり学んでいきましょう。
3コマ目は藤野暢央先生による『足』についての『実践講習』。
『足』の使い方は股関節同様、バレエがバレエである根本的な問題でありテーマでもあります。目指すゴールとなる身体の使い方を指導者がより明確に知ることは、受け持つ生徒さんの可能性と健康に対する未来の明暗を分けることにも繋がりますので、藤野先生のアイデアをしっかり吸収していきましょう。
3日目
コース3日目。今日から4コマを使いスポーツ医の先生に『エクササイズサイエンス』について学んでいきます。
筋肉や骨のこと、関節などを学ぶ機会は多いですが、それらがどのようなメカニズムで動いているのかを学ぶ機会はあまりありません。まずは筋収縮を促す神経伝達の仕組みと筋繊維の解剖組織学をみてみましょう。さらに後半では筋収縮に必要な『エネルギー』は何なのか、どこからくるのかについて学んでいきます。身体を動かす『力』がどのように湧き上がるのか、そしてなぜ『疲れるのか』それらの漠然とした疑問についてもこれを学習することで解決できるかもしれません。『どうしたら体力がつきますか?』といった質問を先生方も受けることが多いと思いますが、それらについても学んでいきますので身体の不思議や面白さを発見して頂けたらと思います。
3コマ目、身体の中で自動的に起こる無意識の働きを学んだ後は藤野先生による『感覚』についての『実践講習』。
どのような講義になるかは当日までのお楽しみです。
4日目
コース4日目。1コマ目は『有酸素運動・無酸素運動』について学んでいきます。
よく皆さんも耳にすると思いますが、どれくらいの方がその違いについて知っているでしょうか?当たり前に見聞きし、使ってしまっている言葉の一つでもありますが、その働きを知った時、身体に備わっている機能の素晴らしさに気付くことになると思いますので楽しみにしていてくださいね。
2コマ目ではエクササイズやトレーニングを行う意味についてもう一度改めて考えてみましょう。そしてみなさんが日頃行っているウォームアップとストレッチについても再確認していきます。どのようにウォームアップやストレッチをすれば良いか、またどのようにエクササイズをすれば良いかという以前に、なぜウォームアップやストレッチが大切か、またやり過ぎがなぜ良くないのかについて学んでいきます。受け持つ生徒さんの身体を守るための知識でもありますのでしっかり学んでいきましょう。
3コマ目は振付家でダンサーの青木尚哉先生によるストレッチの『実践講習』です。先生ご自身がヤムナをはじめボディワークを学び、またオリジナルの身体メソッドも考案されている身体マニアな方ですが、ストレッチの仕方だけでなく、ストレッチの補助の仕方、身体の触れ方などセンシティブな部分について指導してくださいます。ストレッチの補助で怪我をしてしまった、させてしまったという声も多く聞きますので、不本意な事故を未然に防ぐためにもぜひここで人間の身体の扱いについて学び、感覚を身につけていきましょう。
5日目
コース5日目。今日から4コマを使い、整形外科医の井上留美子先生の講習が始まります。
まず1コマ目は体幹について。そもそも体幹とは何か、体幹がどのようにして身体を守り、そして動きを生み出していくのかについて学んでいきます。
腹筋や背筋、細かくは『腹横筋』など、皆さんが聞いたことのあるワードやバレエに多い『腰痛』についてもその種類や原因なども学んでいきます。
身体の痛みはバレエを踊る時間だけでなく、日常生活にも支障をきたしますので、どちらの時間も健康であることを目指すために、学びを深めていきましょう。
『引き上げ』とはどのようなものであるかより詳しい知識を得ることになるかと思いますのでお楽しみに。
2コマ目は年齢や性別の障害について学んでいきます。
スタジオでは様々な年齢の方を指導されていると思いますが、それぞれに気をつけるべきことが異なります。特に子どもは小さな大人ではありませんし、子どもと同じ指導を大人の方にするべきでもないかも知れません。それぞれに合った内容を提供することもまたプロの指導者には必要なスキルの一つですので、ここでしっかり学んでいきましょう。
3コマ目はバレエ専門トレーナーの中谷広貴さんからアライメントと引き上げ、安全に身体を反らせるための身体の使い方やエクササイズについて学んでいきます。様々な身体の使い方やアイデアを学べますので、こちらもどうぞご期待ください。
6日目
コース6日目。1コマ目、2コマ目とバレエで痛めることの多い各関節の障害について学んでいきます。
パフォーマンスを向上させるだけが教師の仕事ではありません。受け持つ生徒の皆さんの健康と安全を確保すること、また生徒さんのお身体の状況をリサーチすること、防げる怪我を防ぐこと、そして状況に応じた対応が出来るようになることもプロの指導者としては必要なスキルです。今までのバレエの世界にある『痛くて当然』のような考え方が原因で生涯引きずるダメージを身体におってしまっている方も少なく有りませんので、そのようなことのないようより詳しく身体のことについて学んでいきましょう。
3コマ目はロシア連邦認定バレエ教師である成川先生にバレエの立ち方とターンアウトなどバレエのもっとも重要な基礎テクニックについて指導していただきます。
『百聞は一見に如かず』
多くの方にロシアバレエの固定化されたイメージがあるかと思いますが、ロシアバレエを継承するバレエ教師の成川さんから本場の身体の使い方を学んで頂けたらと思っています。
7日目
コース7日目。いよいよ最終日です。
最終日の1コマ目は安全指導者としてお教室内の安全を守ることが出来るよう感染症の対策の基本を学びます。現在の社会的状況の中でコロナウィルスの感染予防を徹底することが生徒さんや先生自身を守ることに繋がり、かつ地域社会においてもその信頼性を高めることにも役立ちます。生徒さんだけでなく、そのご家族の方の不安を取り除くための努力もスタジオの運営やレッスンを受け持つ先生に重要な仕事の一つですので、ここでしっかり学んでいきましょう。
2コマ目は初期救急についての講習を行っていただきます。スタジオ内でのまさかの自体に備えること。そこに先生しかいなくても最初の対応が出来るかどうかでその先が変わることもあります。また日常生活の中でも役に立つ知識ですし、なかなかこのような機会もありませんので一緒に学んでいきましょう。
3コマ目は認定講師になるための試験です。この試験を合格するとまで学んできたことに加え、バレエジャポン認定のバレエ安全指導者として活動をスタートすることが出来ます。バレエの世界に安心と安全を届けることの出来るプロフェッショナルの人材として活動していくことになります。より豊かな世界を一緒に創造していきましょう。