みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

【選ばれるお教室の条件】をテーマとした連続コラムの第四回目です。
今回は『趣味だからこそ求められる、最高レベルの安全管理』というタイトルでお届けいたします。

「足が痛い? バレエは痛いものよ。我慢しなさい」
「股関節が詰まる? それはアン・ドゥ・オールが足りないからよ。もっと開いて!」

痛みを訴える生徒に対してこのような言葉がかけられている光景。
残念ながら、これは過去の話ではありません。
令和の今もなお、日常的に繰り返されてる光景でもあります。

シリーズ第4回目は、教室経営において最も重大なリスクであり、かつ指導者の倫理観が問われるテーマ、「怪我と安全管理」についてお話しします。

あなたは、生徒が怪我をすることを「努力の証」だと思っていませんか?
もしそうなら、その認識が貴方の教室の未来を閉ざしてしまうかもしれません。

「生活」を壊す指導は、罪である

まずはじめにはっきりといいたいと思います。

「生活」を壊す指導は、罪です。

私たち指導者は、しばしば忘れがちです。
目の前にいる生徒には、バレエ以外の「大切な人生」があるということを。

プロのダンサーにとって、怪我は職業上のリスクであり、ある種「覚悟の上」の出来事かもしれません。
しかし、週に1回の楽しみで通っている会社員の方、受験勉強の合間に通っている学生、子育て中の主婦の方、さらにはシニアのバレエ愛好家の方々にとってはどうでしょうか。

もし、貴方の「無理なストレッチ」の強要で、生徒が腰を痛め、デスクワークができなくなったら。
もし、貴方の「非科学的なターンアウト」の指導で、生徒が膝を壊し、通学や家事に支障をきたしたら。

それは単に「バレエを休めばいい」という話では済みません。
彼らの「仕事」「学業」「家庭生活」という、人生の基盤そのものを破壊する行為なのです。

「痛みを我慢してこそバレエ」という古い常識を無自覚に押し付け、生徒の日常生活(QOL)を脅かす。
これは、指導の熱心さとは関係なく、社会的には一種の「暴力」であり、教育サービスの提供者としての「契約違反」と言わざるを得ません。

「趣味だから適当」の大きな間違い

よく、「趣味のクラスだから、そこまで厳密にやらなくても…」という声を聞くことがあります。
しかし、これは大きな間違いです。

プロの卵たちは、選ばれた身体条件を持ち、若く、回復力があり、毎日トレーニングをしています。
ある程度の無理が効く場合もあります。
対して、大人の趣味の生徒たちはどうでしょうか。

骨格は固まり、筋力は不十分で、古傷を抱え、仕事の疲労も溜まっている。
身体条件だけで言えば、怪我のリスクはプロよりも遥かに高いのです。

だからこそ、「趣味の生徒」にこそ、解剖学に基づいた、医学的に正しい「専門的な指導」が必要なのです。

「趣味だから適当でいい」のではありません。
「趣味だからこそ、長く、安全に、健康的に楽しめる」ように導くこと。

それこそがプロの指導者の仕事です。
身体の仕組みを無視して、「形」だけを真似させる指導は、免許を持たずに車を運転させるようなものです。

解剖学は「愛」である

「怪我をさせない」ということは、消極的な指導をすることではありません。
むしろ、解剖学的に理にかなった身体の使い方(安全なターンアウトや正しい引き上げ)を教えることは、安全上絶対条件であり、パフォーマンスの向上にも直結します。

「付け根が痛くならず脚が高く上がった!」
「ジャンプしても膝が痛くない!」

生徒がそう実感した時、そこには深い感動と、指導者への絶大な信頼が生まれます。

「この先生なら、私の身体を預けても大丈夫」
「この教室なら、おばあちゃんになっても踊り続けられる」

そう思ってもらえること。
それが、生徒の「大切な週1回の時間」と、その背後にある「生活と人生」を守ることに他なりません。

安全という最強のサービス

これからの時代、教室選びの基準は「コンクールの入賞歴」だけではなく、「安全性」へと確実にシフトしていきます。
賢い消費者は、自分の身体を壊すリスクのある場所には絶対に近づきません。

あなたは自信を持って、「うちの教室は安全です」と言えますか?
「なぜその動きをするのか」を、精神論ではなく、論理的に説明できますか?

解剖学をはじめ、人間の身体を学ぶことは、誰かにマウントを取るためでも、知識をひけらかすためではありません。
あなたが学び続けることは、目の前の生徒の「人生」を守るための、そして指導者としての最大の「愛の形」といえるでしょう。

言葉ではなく、行動で。

あなたの一歩を応援しています。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局

お互いのバレエ愛を共有し合える指導を行うための学びは、バレエ安全指導者養成スクールで。
https://safedance.jp/study/school/