みなさま、こんにちは。
バレエ安全指導者資格®︎事務局です。

このコラムではこれまで、バレエを安全に教えるために必要な知識や視点についてお伝えしてきました。
今回は少し視点を変えて、「この資格で学ぶことが、自分自身の人生や子育てにも深くつながっている」ということについてお話ししたいと思います。

バレエ安全指導者資格®︎は、「生徒を守る」ための資格です。
整形外科学、栄養学、心理学といった分野を横断しながら、年齢や身体の発達に応じた安全な指導法を学びます。
もちろん、バレエを習っている子どもたちのケガを防ぎ、健やかに育てていくことが大きな目的のひとつです。

けれど、受講された先生方からよくいただく声があります。

「この学びは、レッスンだけでなく、自分の子育てにもすごく役立っています」
「家庭の中での声かけが、変わりました」

そう、実はこの資格で得られる知識や視点は、指導の場面を超えて、日常生活や家族との関わりにも大きなヒントを与えてくれるのです。

たとえば、整形外科学では、子どもの骨の成長や怪我の種類や対応についても学びます。
講師の井上先生ご自身の子育ての際のとても貴重なお話も伺えます。

子どもたちが成長する過程では、どうしても大小のケガを経験することがあります。
そんなときにも、この講義で得た知識が大いに役立ちます。
「今は安静が必要な時期なのか」「病院に行くべきか」「動かしていい範囲はどこまでか」
実際に治療される整形外科の先生から直接お話を伺えるので、そういった判断を、焦ることなく冷静に行えるようになるのです。

それは、ケガをした子どもにとっての安心であると同時に、親である指導者ご自身にとっても大きな心の支えになります。

また、栄養学では、「成長期に必要な栄養素」や「エネルギー不足がどのように心身に影響するか」といったことを学びます。
とくに思春期の子どもが、体型を気にして食事を制限してしまうことがある中で、
“ただ痩せる”ことではなく、“元気に育つ”ことの大切さを、どう伝えるか。
正しい知識を学ぶことで、お子さんにかける言葉のチョイスも違ってくるのです。
そして、どうしても周りと比べてしまう思春期特有の心のあり方を理解するためには栄養学と心理学の両方の知識がとても役に立ちます。

さらに、心理学で学ぶ「怒らないための知恵」
家庭で子どもと接するときに「つい感情的になってしまう」自分を客観視するためのヒントにもなります。

私たちはつい、「教える側」「育てる側」として、完璧でいなければと思いがちです。
でも、この資格で学ぶ中で見えてくるのは、
「完璧な先生」や「完璧な親」になることではなく、
よりよく関わるための視点を持ち、成長し続けられる大人であることの大切さです。

特に印象的なのは、「心理的安全性」という考え方。
生徒が、間違えてもいい。知らないと言ってもいい。泣いてしまってもいい。
そう思える環境をつくるには、まず指導者自身が「わからない自分」や「失敗する自分」を受け入れていることが必要です。

それは、子育てにもまったく同じことが言えます。
大人が自分を責めすぎず、学び続ける姿を見せることこそが、子どもたちにとって最大の安心になるのです。

バレエの指導力を高めるために始めた学びが、
気がつけば、自分自身の在り方や、家庭でのコミュニケーション、さらには人生そのものを支える力になっていく
この資格が持つ一番大きな価値は、もしかしたらそこにあるのかもしれません。

どうか、あなた自身と、あなたのまわりの大切な人たちのためにも。
学びの扉を、ゆっくりと開いてみてくださいね。

バレエ安全指導者資格®︎ 事務局